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眼帯の吸血鬼さんのご依頼をいただきました。
設定画を拝見したところ、ヒヅメのようなつま先がなんとも倒錯的だったので、彼の脚を主体にした絵などどうか……と完全に自分の趣味に走りかけました。しかし私はやはりお顔も大きく描きたい。この特徴的な髪も挑戦し甲斐がある……。
脳内で自分自身と会議しておりました結果、両方とも大きく描写するために彼そっくりの球体関節人形と共演してもらうというアイディアを考えました。
設定文から感じ取れる、存在感はあるのにこの世のものではない雰囲気を、人形との共演で出していけたらと思います。
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逆さまのほうが人形なのですが、重力のせいで髪型が変わりすぎて同一人物に見えないかもしれません。重力には逆らってしまいますが髪の毛は下ろした方がよさそうです。
【08:25】文章がちょっとおかしかったところを修正。今回は日本語が母国語ではない方からのご依頼なので、自動翻訳にかけたときに変な文章になりそうなところはちょっと気をつけています。でももし翻訳できない文章が出てきたら申し訳ありません。
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ご依頼者さん以外の方には、線画だとまったくわからないかもしれませんが、このキャラクターはとても興味深い髪の色をしているので塗るのがとても楽しみです。
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ドレスシャツは裾の方へいくにしたがって透明になるという素材だそうです。そのため裾は個別のレイヤーに描いています。
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人形の髪型を直しました。
人形の方は髪の毛も含めて無機質で硬そうな感じにして、目だけこちらを見ているようにしたら、美しいけど少し不思議で怖い雰囲気になるのではないかと思います。
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線画ができました。塗っていきます。翼が脚に巻き付いているようなデザインを再現するのがとても楽しかったです。
完成の際には逆さま版もお納めいたします。
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追記:下書きでは人形の尻尾のカーブを主人公の顔への視線誘導に使う予定でした。しかしref-sheetをよくよく確認したところコートの生地の中に模様となって隠れているものであって、物質としての尻尾が飛び出ているのではない印象がうまれたため変更しました。代わりに長いマフラーで主人公の顔を強調しました。
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黒いコートの玉虫色というのはおそらくシロクチニシキヘビ(D’Albertis python – Bothrochilus albertisii)とかニジボア(Rainbow boa – Epicrates cenchria)などの黒っぽい蛇が構造色で虹色の光沢になるアレの感じではないかと思うのでがんばってみます。
【追記】こちらの「ガンメタ」が近そう!
【オーロラ】エクスキューション(160421)
エナメル生地 広幅135cm 伸縮性無し 肉厚【生地・布】
布名面白いな。カミュ様かな。
コート裏地の万華鏡模様は、そういう模様の布地というよりコートの向こうに万華鏡空間があるように見える感じで進めました。大きめに作った正三角形の画像をギュッと縮めて万華鏡の反射の配置に並べた後でコントラストを上げることで、元の絵の持つサイケデリックで鮮やかな雰囲気に近づくよう意識しました。
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コートこうかな……?
【完成】
このたびはありがとうございました。挑戦しがいのある、学ぶべきところの多いご依頼でした。
【10月25日】追記
逆さま版をアップするのを失念しておりました。失礼しました……。