skeb:06 石炭の肖像

今回いただきましたのは吸血鬼の貴族とその従者のアンデッドの少女の2人組です。
サンプルを拝見しましたところ19世紀末ごろのヨーロッパのイメージというのに加えて
もしかしたら前回のご依頼者さんと同じく線での描写がある程度入っているのがお好みなのかなと思いました。
とはいえご指定がない以上、勝手にモノクロにしてしまうわけにはまいりませんので、
何かうまいこと両方取りしていけないかやってみようと思います。

肖像画風が良いのではないかと思い、いくつか試しましたが
サンプル画像とあまり構図が変わらないな……?というジレンマが続いた後で
そういえば今朝、オーガスタス・レオポルド・エッグの「旅の道連れ」を見て
いいなーと思っていたのを思い出しまして移動中の一幕のイメージで描き直しました。

あちらの絵はおそらく中流階級のお嬢さんを描いたものなので
今回のモデルである貴族を描かせていただくにあたり、
車内はもうちょっと豪華にしていきたいと思います。

男性の方は吸血鬼なので念の為窓の外は夜景にする予定です。

女性の方の、穏やかな瞳の表情を再現するため微調整を繰り返しました。
二段続きのリボンがおしゃれで可愛いなあと思っていたので、大きめに描くことができて内心嬉しく思っております。(今回はたまたまなので、描きたいという理由を優先させて構図を変えてしまうようなことはありません。)

装束につきましては違っていたら失礼なのですが
資料1・2は19世紀後半くらいをベースにされた基本のデザイン、
3はそちらより1世紀前のファッションとお見受けしましたので過去編、
4は特別な衣装なのかなと解釈しまして1・2を元に作画しております。
大きなアレンジは加えませんが、背面など不明なところは上の解釈を元に補完予定です。

これは列車内という余分なシチュエーションを私が作ってしまったために発生したのですが
ハットの着脱について、どちらにするか私の独断では決めかねましたのでpsdのレイヤーで差分としてご用意する予定です。脱帽後のヘアスタイルが設定と違っている場合は平に申し訳ございません。

背景の彩色後、全体の調整をして最後の確認のために一旦数時間寝かせてから納品いたします。

【完成】
このたびはありがとうございました。大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。

タイトルとURLをコピーしました