skeb:10 バベルハイムへようこそ

今回のご依頼者さんは音に聞きしガリベンガーVの方と同じ名前だな

販売員さんかあプロフィールも似ていらっしゃる

あれっ

……あれっ?

(今回は過程を動画撮影しているのでうまくいったら後日YouTubeチャンネルにアップいたしますが収録に失敗した場合は立ち消えになります……。)

VTuberデビューの際に拙作バベルハイムの商人をだいぶ意識してくださったということ、私の世界観で衣装と髪型をいじってもらえればということで、左様でしたら厚かましくて恐縮ですが「悪魔商人のイトッポイドさん」ということで本案件のコンセプトを決めさせていただきます。

商業作品として出版社との規約上の制限はありますけども、純粋な創作の観点では、バベルハイムは求めに応じて建て増しを無限に続ける九龍城砦のような場所であって欲しいので「こういう人も商売してるかも」ってなったら「イイネ!」と言える存在でありたいと思います。別荘的な気持ちでご利用いただければ幸いです。

普段、skebで描かせていただくときはハガキに印刷できる大きさで統一をさせていただいているのですが、今回はヘッダーにお使いになりたいということで、いつもとはサイズを変えております。

というわけで新兵器、ヘッダー用テンプレートを用意しました。
YouTubeとXと、念のため両方でご用意しますのでお好きな方でお使い頂ければ幸いです。
YouTubeのテレビ用、PC用、タブレット用、スマホ用、Xのヘッダー用の大きさに色を塗り分けておき、この5つが重なっているところに必要な絵(今回はイトッポイドさん)が入ればオッケーというわけです。
半円の部分はツイッターアイコンで隠れるところです。

イトッポイドさんはありがたいことにYouTubeという私でもアクセスしやすいプラットフォームにアーカイブを無限にお持ちなので、拝聴しながらイメージを練りました。
コーヒーと筋トレという、ご本人がお好きなもので固めたカフェっぽい感じにいければ……。

クラシックなコーヒー屋さん+イトッポイドさん+周りにコーヒー関係のスタイルは、ふと虫の知らせがしてリサーチしたところすでにお持ちの背景とちょっと被っていたしなんなら構図までめちゃくちゃ被っていたので慌てて変更しました。

……なのでもっとバベルハイムっぽいもの……コーヒーメーカーの悪魔とダンベルの悪魔(テレビサイズ以外は隠れてしまいますが)がアシスタントをしていて……ハコトレVの他のお二方専用のコーヒーカップがキープされていて……せっかくなので有名人のサインみたいにメフィストフェレスの写真も勝手に飾っておこうみたいな……。

そもそもコーヒー屋さんのカウンターってこの距離感でいいのか……?
何が置いてあるんだ……?という疑問が浮かび、
検索しまくっている間に「ああ、そう バリスタ バリスタって言うんでしたね」などとボキャブラリを掘り返し
あんまり詳しくないのに知ったようなアイテムを並べてしまうことに恐怖を感じ
ダンベルちゃんやっぱり画面内に収めたいよな……コーヒーメーカーの悪魔って何の道具だ……この並びならコーヒーミルか……?ダンベルちゃんの首から下どうする……?

そろそろイトッポイドさん本体に行きましょうか!

一旦資料通りに描きまして、ここからアレンジを加えていきます。
もうちょっと童顔かもですね……。

まだ変えます。
何かが足りない 何かが……。

〜(この辺に昔のRPGで一晩経った時に流れる音)〜

「何かパーツをアレンジしないでくっつけてるだけ&それも密度にムラがあるのが気になる原因かもしれない」「キャスケットにミルククラウンは盛りすぎでは」「でもミルククラウン可愛いじゃん……」「美少女のキャスケット最高じゃん……バリスタの衣装にもうってつけじゃん……」「完全なクラウンではなくパーツにしてキャスケットの飾りに入れるのはどうか」「いいかもしれん」「ラテアートっぽい曲線」「植物としてのコーヒー」など脳内会議の末

方向性はいいかもとなったのですが、オーダー内の「私の世界観で髪型と衣装をいじってほしい」との一文に対してまだ十分にお応えできてはない気がする……もっとこう、何かできるのではないか……。
お顔の再現に時間をかけたいのでもうちょっと悩みながらペン入れを始めたいと思います。

髪の毛 髪の毛何にもいじってないんだよな……。

【14時かそこら】序文に発注内容の記述が十分ではなかったので追記

「おさげから手を生やすと、背景の棚に置くしかなかったハコトレVコーヒーカップを持たせてさしあげられるのでは?」
「ミクさんでそんな感じの造形がなかったっけ」「それはシテヤンヨだし生えていたのは脚」
「もしかしてミルククラウンてコウモリの羽に似てるんじゃない?」
残りのわたし一同「!!!!!!」

無事に悪魔めいてきました。
おさげをマッチョにすると筋トレ部分も出るのでいいかもしれません。
でもつやつやの肉にしてしまうとちょっと面白くなり過ぎてしまうので羽毛と獣の毛と女の子の髪の毛が混ざってできた謎素材にします。

コーヒーミルくんがいるとイトッポイドさんのおさげが隠れてショートヘアに見えてしまうため、残念ですが没にしてダンベルちゃんに上に来てもらうことにしました。あとコーヒーカップだと思っていたものがそういえばマグカップだったので丈を修正しました。一番小さなツイッターのヘッダーでの見え方を確認してペン入れに入ります。ツイッターのヘッダーは上下がさらに隠れる可能性があるため余裕を持たせてあります。

ハコトレVのコーヒーカップがあるのはよいがそれを持っているということになるとこのイトッポイドさんがお迎えしているのはハコトレVの方がたと言うことになり、それは良いとしてもこの絵を見ている人のことはどうなんだということにならないか?
もうひとつ、あなた(この絵を見ている人)をおもてなしするためのコーヒーカップがあっても良いのではないか?
それははじめは純白でクセのない形で、あなたの前に置いた時にあなたの魂の形をするのではないか?注がれたコーヒーの味は深くてまろやかで、こんな素晴らしいコーヒーをもらえる私は、きっと特別な存在なのだと感じるのではないか?ヴェ

【申し訳ありません、本来は本案件を土曜日に開始する予定だったのですが、前の仕事が押してしまいスタートが遅くなってしまいました。急いでおりますが納品までもう2日ほどいただく可能性があります。】

【大変失礼いたしました。ありがとうございました】

メインのお衣装からアレンジするものと誤解釈してしまっておりましたがご希望は秋冬用のお衣装のほうだったことに気づきまして、作画資料をもとに調整しながらペン入れを再開しております。ショートヘアなので構図は初期案に戻っていく感じかもしれません。

あっ そうか全然違うことをしてしまっていたかもしれない……大変申し訳ありません!だめだこれは(私が)

一旦ラフからやりなおします。第二ラウンドです。

結構大きなイメチェンのための描き下ろしみたいですがアレンジしてしまって良いのか……。

そもそも元々のお姿と雰囲気が違うので姿勢やテーマも変えるべきだなと思い、バリスタというよりは支配人のイメージに変更しました。衣装も前回はアレンジというより実質新衣装のようになってしまったため、よい仕事をできていたとは言えなかったと気づきまして、元のお衣装を大きく変えないようにしつつ、頭巾の垂れているところをコウモリの羽にするなどに抑える予定です。

暴走のフルスイングに深く反省いたしておりますところです……。大丈夫ここからはたぶん大丈夫……。

右に性懲りも無くコーヒーミルくんをいれてしまいましたがモブキャラのくせに大きすぎるのでやはり没ですね……コーヒーミルは2度死ぬ。

もしかして元のデザインはヒトの前に出る時の姿で、悪魔としての姿を現すと似て非なる姿になるというのが顧客が本当に必要だったものではありませんか?

割と洒落ではなくお仕事のたびに毎回これを全部一人でやっています。今回は特に顕著ですが……。経過をご覧になっていたらさぞハラハラさせてしまっているのではないかと思います……ただただお詫び申し上げるばかりです……。

デザインのコンセプトから墓掘人とお見受けいたしましたので、通常のヘッダーだと見えないエリアに実はシャベルくんとカラスくん(女の子の可能性もあるので華奢めに)を描き入れさせていただきます。

オタクは異形頭が好き。(大主語)

カラスくんちゃんさんの×のおめめはボタン目で再現しようかと思いつつ、第五人格の真似っぽく見えてしまわないかという懸念もあったのですが、リリースの8年前から「コララインとボタンの魔女」が出ていますし、探すと他にもありそうなのでクラシックなアイディアとして多分ここは大丈夫かな……。

今気づいたのですが、頭の装飾の文字が「NOT FOUND」の鏡文字になっているんですよね。
ということはこの「×」も「ここにかつてあったファイルは無い」という意味の「×」、デジタルなものの死を表す可能性があるのではないかと思いました。つまりカラスくんちゃんさんの「×」についても再考する必要があり、ボタン目化は純粋なファンタジー化の解釈としては間違いではないのですが、今回に限っては正しくないかもしれないことに気づきました。

デフォルメをするならもっと虚無を感じさせる方向で強調してみるべきでは……?

イトッポイドさんというVTuberさんの、人生という流れをデフォルメするならコーヒーと筋トレは大切な要素ですが、そのはじまりはバーチャル販売員という、非常にデジタルな存在であることが起点となっており、これも重要視すべきなわけです。そんなデジタルな存在に墓掘りや死を連想させるものとしてデータロストの要素が散りばめられているのだとしたら、そこは変に弄らずに遵守すべきと言えるでしょう。

カラスくんちゃんさんのことを考えながら、ひとまずご本人の線画を完成させます。実はコーヒーカップのデザインに迷っていたのですが、そちらは色を塗りながら考えることにしました。コーヒーカップなのでそこまで基礎の形を逸脱しないでしょうから、下書きほぼなくてもなんとかできそうなのと、なによりここでずっと行き詰まっているといつまでも完成できないからです。

とはいえ普段のイメージをデフォルメするのではなく、新しく「墓掘り、死」のイメージが足された状態での描写なので、さらにコーヒーカップまでいじるのは少し情報の詰め込みすぎかもしれません。ついつい「うおおコーヒーカップ化してえ」という気持ちが盛り上がってしまったのですが、悪い意味で執着してしまっているようにも感じてまして、コーヒー要素はあくまで味付けに抑えるほうがよい気もしました。その分、新しいイメージの部分に注力します。

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