執事さんがお屋敷の中をまわって悪戯が仕掛けられていないか確認してまわっているというシチュエーション、加えてモノクロ画でということでいただきました。
無くしたものを探している、またはお掃除後にチリが残っていないか確認しているように見えてしまうのを避けるため、すでに回収した玩具やワナを手に持っているとわかりやすいかも……というところから始めました。
資料の漫画を拝見すると、具体的ないたずら道具の一つに花火(ただし火力はエグそう)があるということで、比較的ビジュアル的にわかりやすいものを使っても大丈夫そうだったので、それなら多少心得がある……!かもしれない……ないかもしれない……。
【お知らせ】
前回、まだ更新中にもかかわらず新しい記事によってどんどん流すことになってしまったのが心苦しく、今回もスケジュールが立て込んでいる都合上そのような状況になる可能性があったため完成後にまとめて記事を投稿する形にさせていただきました。リアルタイムの経過を楽しみにしておられたら申し訳ございません。
【05月18日】
完成と締め切りが同時に近づいてきたので一旦進捗のご報告として公開いたします。お待たせしており申し訳ございません。
お屋敷の雰囲気が伝わるようにしたいので全身が入るよう試みつつ、
身をかがめて探している感じにすると意図している雰囲気も出せるし、執事さんの体を画面の中に大きめに収めることができるかなと思いました。
はじめは確認のために覗き込んでいる様子を考えていましたものの、覗き込んでいるポーズは漫画や小説の1シーンなら良いのですが、一点もののイラストということになるともう少しこちらを向いている方が良いような気がしており、次の確認スポットに向けて顔を上げたところ……というイメージでポーズをあらためました。
回収した悪戯グッズをどこに入れるか問題で、イギリスの貴族事情に詳しくなかったのと特殊な事情なので調べようがないこともあって悩んだ結果、過去に花火を仕掛けられているなら季節外れの灰バケツに回収した罠を入れてもいいんじゃないかと考えました。自分が罠を仕掛ける場所を探しているように見えてしまわないよう、上着の尻尾部分をネズミ罠に挟む予定です。(←あまり有能に見えなくなるかなと思い直しましてやめました。)
3Dモデルを使用しましたが、ご依頼の件は19世紀イギリスの世界観だそうですので、ヴィクトリアンスタイルの中でも特に重厚そうに見えるものを参考にアレンジしていきます。素材で使っているのはパースやサイズなどアタリを取りやすくするためなので、今回そのまま使うことはありません。
ちょいちょい、AI生成物っぽい画像が混じってて探しにくい……。おのれ……。
目つきがちょっと精悍になってしまい、これはこれでこの方の一面のようにも思えるので悪くはないのですが悪戯にふりまわされないための確認・見回りというよりはシリアスめのお仕事案件のようになってしまいました。
本当に微々たる差なのですが、ほんのり下がり眉+黒目を小さくして苦労性っぽい雰囲気を狙いました。ほんの少しだけ。
ペン画風のタッチがお好きと伺いましたので服の凹凸に合わせた線を入れています。
昔の花火を調べたところ、エグいのが出てきたので採用しました。
http://lotusfireworks.com/museum.html
灰バケツにつきましては、昔のイギリスのお屋敷だと夏季の使わなくなった暖炉に花や植物を飾っていたらしいと聞いて、灰バケツも使わないのかなと思ったので、実際に季節外れのアイテムとして扱って良いのかは自信がないところです。
可燃性のある危険物を回収するにはちょうど良さそうに感じます。
暖炉の件は幻覚だったらどうしようと思っていたのですが念の為確認したらありました。(ページ下3分の1あたり)https://4travel.jp/travelogue/11262372
ググると他にもいろいろ。おしゃれですね……。
検索ワード:summer fireplace decor
視線を下げたら確認している感じが強まりました。
ストーリー性は強まるのですがカメラ目線ではなくなる分、絵を見た時の顔への意識が薄まってしまうんじゃないかという不安があります。本来ならクライアントさんに選んでいただくところなのですがシステム上そうもいかないので……いやしかしこのくらいなら差分としてご用意したら良いのでは……。
また、描いている間も結局悩んだままだったのですが、今のままだと依頼主さんからの「悪戯がしかけられていないか確認する」というオーダーにノイズが入ってしまう(確認に回収という要素が入ってしまう)ことを考えるとバケツ自体無い方が良い気もしてきました。
幸いにも左脚のペン入れがまだでしたので、バケツなしの状態で作画してレイヤー差分としてご用意できるようにいたします。psdで展開できますので視線+バケツでお好きな組み合わせでお使いください。
結果としてますます納期が伸びてしまいました。平に申し訳ございません。
【完成】
このたびはありがとうございました。大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。
レイヤーでのオンオフ可能ということでしたので、差分を一枚にまとめております。