技術的な話
3行でいうと
「絵が大きくなると途端に描きづらくなって
時間がかかる問題に悩んできたけど、もしかして
ベクター線で解決できるんじゃない??あれっ
気づかなかったの私だけか」という話
んんん4行
・商業誌になると作画面積が広くなるので
引かねばならない線の長さが長くなり
作画速度が落ちる難点
・600dpiというただでさえ大きな画像を
無限に拡大してしまうことで
描いているときは十分太い線を引いている
つもりが、いざゲラ稿があがると線がものすごく
痩せていることに気づく難点
(モニタや家庭用プリンタだと
わりといい感じに太いので
余計理不尽な気分になっていたところ)
・モノクロ600dpiの解像度に慣れきった
感覚でカラー原稿350dpiの依頼が来ると
縮尺の変化に戸惑い、線の引き直しが増える結果
作画速度が落ちる難点
・そう思っているとある日「カラー600dpi」
という思わぬ依頼をいただいて苦戦する難点
この辺の難点には旧作の連載を始めて以来頭を抱えていて、
線画だけアナログに戻してみるとか
頑張って太く引くとか
いろいろ試したけどうまくいかなかった。
今朝、ようやく、
ウェブ用の解像度(350dpi)でベクターで
描いたものを、モノクロなら600dpiに引き延ばして
モノクロ変換、カラーならそのまま線画に使うと
もしかして全部解決するんじゃないかということに
気づいたんだが
もしかしたら他の作家さんは普通に
やっていることのような気がしてきた。
10年以上前にいちどベクター線に手を出したとき
不本意に補正がかかりまくって
タッチが死んでしまったので
すっかり苦手意識がついてしまって、
建物などの硬質なものでもない限り
アナログっぽいものを描きたい時に
ベクターはだめなんだなと思い込んでました。
だめなのはわたしだったかもしれない。
あとは実際どれくらい早くなるのか
(アシスタントさん抜きで日産4ページが
実現できるか)とか、
線数がめちゃくちゃ多くなった時に
データが重くなるんじゃないかとか
本にした時にちゃんと意図どおりのタッチに
なるのかとかは
同人誌で実験していきたいんだけど
同人漫画を描く時間が欲しい。
良い絵を描くためのアイデアづくりとか
純粋な作画技術とか以外の余計なところで
悩むのをいい加減にやめたい。